​私は中高女子校に通っていた。「馴染めない」と悩んでいた小学校生活とは一変し、似た価値観を持つクラスメイトたちと出会うことができ幸先は良かったのだが、初めての電車通学・中学校生活に慣れてきた中学1年生の6月のある日、仲良くしていた一人の友人Yから仲間外れにされるようになった。毎朝始業前は、いつメン（いつも一緒にいるメンバー）の机の周りに集まり、5〜６人でたわいもないことをおしゃべりするのが私たちの日課だった。その日もいつメンの輪に入って話を聞こうとすると、友人Yがお尻を向けて私が輪に入っていけないようにするのだ。

それを初めてされた時、目の前の世界が真っ黒になって心臓がきゅっ〜とする感触がした。理解が追いつかなくてただ悲しかった。自身の行いを振り返ってみても、友人Yを傷つけた覚えはなくますます混乱した。さらにショックだったのが、他のいつメンたちが友人Yに気を使ってか、私が省かれているのを見て見ぬフリをしたことだった。

彼女たちには悪気はなかったのかもしれない。ただ、私のように、ある日突然友人Yに意地悪されるのが怖くて、私のことまで気にかけられなかったのかもしれない。どちらにせよ、一夜にして大好きな学校の中で居場所がなくなったことがいかに恐ろしいことかを体験した出来事だった。